遺言書の偽造について

言書の偽造は、実際に行われることはあります。

遺言書の偽造には、次の2通りの方法があります。

  • 本人以外の誰かがなりすまして遺言書を偽造する
  • 認知症の人をだまして本人の筆跡で遺言書を書かせる

本人以外の誰かがなりすまして遺言書を偽造する場合は、 筆跡鑑定等を行って遺言書は他人によって書かれたものであることを証明して遺言書の偽造を暴いていきます。

認知症の人をだまして本人の筆跡で遺言書を書かせた場合は、遺言書を書いた当時は認知症であったことを証明できる医師の診断書などを証拠として、裁判で争っていくことになります。


筆跡鑑定によって偽造を暴く場合

自筆で書かれた遺言は、家庭裁判所で必ず「検認」を受けなければなりません。

検認とは、その遺言が本人の筆跡で書かれたものであるかどうかを確認することです。

検認では、遺言者が書いた遺言以外の手紙や申請書に書かれた名前などの筆跡と、遺言書に書かれた筆跡を比較して、同じ人物が書いたかどうかを判定します。

この検認による判定は、機械等は使用されず家庭裁判所の担当官が目で確認して判定をします。

そのため家庭裁判所の担当官の目をごまかすことができたなら、偽造の遺言書も本物として扱われることになります。

そこでこのような場合は、家庭裁判所に対して遺言無効確認の調停を申請します。

そして筆跡鑑定の証拠書類などを提出して、遺言の無効を認めてもらうことになります。

もし調停で遺言無効の調書が作成されなかった場合は、遺言無効確認の訴えという裁判を起こすことになります。

筆跡鑑定は、民間の筆跡鑑定事務所で行ってくれます。

筆跡鑑定を行ってくれる事務所を選ぶ基準は、遺言書の筆跡鑑定の実績が豊富にあるかどうかを確認してみるとよいでしょう。


認知症の人をだまして偽造した場合

最近の遺言書の偽造としては、なりすまして遺言書を偽造するよりも、認知症の人をだまして遺言書を偽造するほうが多いようです。

認知症というのは、まだら模様で進行します。

月曜日は正常であったが火曜日は認知症で、水曜日はまた正常である、ということは非常によくあります。

そのため、本当にその人の意思で遺言が作成されたかどうか、外部から判定することはとても難しいといえます。

いくら医師の診断書があっても、それだけで遺言書の有効か無効かを判断できるものではないからです。

最近は公正証書遺言であっても、あきらかに認知症の人の遺言ではといって争われるケースもあります

公正証書遺言といっても、公証人や証人が医師の診断書を確認するわけではありません。

また公証人の質問に対して、適切にこたえられる認知症の人もいます。

このような場合は遺言が偽造であるかどうか、ありとあらゆる事情を総合的に判定して決定されることになります。

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