相続権は時効で消滅するのか

続する権利が時効で消滅するかについては、民法に「相続回復請求権の消滅時効期間」という定めがあります。

相続では戸籍上は相続人になっていても、実際には相続人でない者(表見相続人という)が、あたかも相続人であるかのように相続財産を引継いでしまっていることがあります。

このような場合に、本当の相続人(真正相続人という)は、表見相続人に相続財産を返せという請求ができます。

このような請求権のことを、相続回復請求権 といいます。

次のような方が、実際には相続人でない者(つまり表見相続人)にあたります。

  • 相続欠格者にあたる相続人
  • 被相続人により廃除された者
  • 虚偽の出生届による戸籍上の子
  • 無効な養子縁組で戸籍上養子となっている子
  • 虚偽の認知届で子となっている者

このような方に相続財産を侵害された場合には、侵害された権利を返せと請求することができます。

請求は裁判によらず話し合いでもできますが、裁判で行われるのが一般的です。

そしてこの相続回復誠意九県は、相続人又はその法定代理人が、相続権を侵害された事実を知ったときから5年間これを行使しないときは時効によって消滅します。

また、相続開始の時から20年が経過したときは、真正相続人が相続権侵害の事実を知っていたか否かに関係なく時効によって消滅します。


どんな相続権も、20年たったら請求できなくなるのか

相続回復請求権で問題となるのが、ニセモノの相続人ではなく全員が本物の相続人であった場合です。

相続人の全員が正当な法定相続人であり、父名義の実家は3人の法定相続人に3分の1ずつ権利があるが、 父名義の実家の土地建物は30年以上も長男家族が占拠して住んでいたとします。

このような場合、長男ではない他の相続人は相続回復請求権の20年以上が経過しているため、もう相続の権利は主張できないのでしょうか。

答えは、相続の権利を主張できます。

最高裁判所大法廷(昭和53年12月20日)の判決というものがあります。

この判決によると、正当な法定相続人による共同相続であることを知りながら土地を占拠し続けた場合は、20年で相続回復請求権は消滅しないとされたのです。

そのため、20年以上実家を占拠したからといって、遺産分割協議なしで共同相続した実家を自分のものにすることはできないということです。

これによるとニセモノの相続人に侵害された場合は20年で相続回復請求することができなくなるのに、本物の相続人に侵害された場合は何十年たっても回復できることになります。

実家の後継ぎとしてきちんと実家を守ってきた相続人にしてみれば、なんとも歯がゆい法律なのですが法律改正や判例変更がなされない限り、この状態はしばらく続きます。

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