使用貸借は相続できるのか

使用貸借とは、目的物を無償で使用、収益できる権利のことをいいます。

貸主、借主間で使用貸借契約が成立すると、借主は契約ないし目的物の用法に従って無償で使用収益を行い、通常の必要費を負担することとなります。

そして使用貸借は借主の死亡によってその効力を失うと規定されているため、原則として相続の対象となりません。

使用貸借は、貸主、借主間の個人的な人間関係、信頼関係に基づく権利であるため、借主の一身専属権としてとらえるべきとされているからです。

そのため貸主または借主のどちらが死亡したら契約は終了し、借りたものは返却しなければなりません。


例外について

使用貸借にも、相続と認められる例外は存在します。

それは個人的な人間関係、信頼関係が、借主の相続人にも承継されるような場合には使用貸借が相続の対象となる、というものです。

たとえば、次のようなものが使用貸借が相続される例としてあります。

・貸主が借主に扶養してもらう代わりに不動産の無償使用を認めるという関係のもと、借主の相続人も貸主への扶養義務を承継するような場合

・貸主、借主の共有地の上に貸主の単独所有の建物が建っており、借主が共有地の公租公課を全額負担する代わりに、 建物の一部を無償使用しているという関係で、相続人が引き続き共有地の公租公課を支払い続ける場合

このような場合は、使用貸借が相続の対象となります。

東京高裁判決平成13年4月18日や最高裁平成8年12月17日判決に、使用貸借の相続を認めたものがあります。


使用貸借の相続税評価

使用貸借が行われていた場合の土地評価は、原則として更地評価(100%評価)です。

それは、税務上、使用貸借による土地の使用に関する権利は、借地借家法等の適用がないため、 借地権と比較して極めて微弱な権利であり、その経済的な価値はないものとされているためです。

しかし昔、土地の使用貸借が行われた場合でも借地権を贈与したとして、贈与税の課税が行われていた時期もありました。

そのため、使用貸借が始められた時期等に応じ、使用貸借に借地権の有無があったかどうかの判定が行われています。

なお、各国税局の管轄ごとに課税の行われていた時期が異なる場合がありますので注意が必要です。

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