後見制度とは

見制度とは、精神上の障害(認知症・知的障害・精神障害など)により、判断能力が欠けているのが通常の状態にある方を保護・支援するための制度です。

後見制度を利用すると、家庭裁判所が選任した成年後見人が,本人の利益を考えながら、本人を代理して契約などの法律行為 をしたり、本人または成年後見人が、本人がした不利益な法律行為を後から取り消すことができます。

ただし自己決定の尊重の観点から、日用品(食料品や衣料品等)の購入など「日常生活に関する行為」については、取消しの対象になりません。


後見制度の理念

後見制度には、次の3つの理念があります。

・高齢者や障害者に、今までと同じような生活をさせようとする

・本人の自己決定を尊重し、本人の残存能力を活用する

・本人の状況を把握し配慮する

後見制度には単に被後見人の財産を管理するに止まらず、本人の生活を支えることが目的とされています。


活用した事例

後見制度を活用した事例には、次のようなものがあります。

・本人の状況→アルツハイマー病

・成年後見申立人→妻

・概要→本人は5年程前から物忘れがひどくなり、勤務先の直属の部下を見ても誰かわからなくなるなど、次第に社会生活を送ることができなくなりました。

日常生活においても、家族の判別がつかなくなり、その症状は重くなる一方で回復の見込みはなく、2年前から入院しています。

ある日、本人の弟が突然事故死し、本人が弟の財産を相続することになりました。

弟には負債しか残されておらず、困った本人の妻が相続放棄のために、後見開始の審判を申し立てました。

家庭裁判所の審理を経て、本人について後見が開始され、夫の財産管理や身上監護をこれまで事実上担になってきた妻が成年後見人 に選任され,妻は相続放棄の手続をしました。


制度の概要

法定後見制度には、後見、保佐、補助という3つの区分があります。

  後見 保佐 補助
対象となる方 判断能力が欠けているのが通常の状態の方 判断能力が著しく不十分な方 判断能力が不十分な方
申立てをすることができる人 本人、配偶者、四親等内の親族、検察官、市町村長(注1)
成年後見人等の同意が必要な行為

民法13条1項所定の行為(注2)(注3)(注4) 申立ての範囲内で家庭裁判所審判で定める「特定の法律行為」(民法13条1項所定の行為の一部)(注1)(注2)(注4)
取消しが可能な行為 日常生活に関する行為以外の行為 同上(注2)(注3)(注4) 同上(注2)(注4)
成年後見人に与えられる代理権の範囲 財産に関するすべての法律行為 申立ての範囲内で家庭裁判所審判で定める「特定の法律行為」(注1) 同左(注1)

(注1)本人以外の者の請求により,保佐人に代理権を与える審判をする場合、本人の同意が必要になります。 補助開始の審判や補助人に同意権・代理権を与える審判をする場合も同じです。

(注2)民法13条1項では、借金、訴訟行為、相続の承認・放棄、新築・改築・増築などの行為が挙げられています。

(注3)家庭裁判所の審判により、民法13条1項所定の行為以外についても、同意権・取消権の範囲を広げることができます。

(注4)日常生活に関する行為は除かれます。

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