相続手続きの放棄のお願いをする手紙の文章例

○○○○よく知らない相続人に対して相続手続きの放棄のお願いをするには、手紙で事実をすべて伝えることが有効な方法であると、理解できたと思います。

しかしそうはいっても、 どうやって手紙を書いたらいいのか、 多くの人は悩んでしまい、 手紙が書けません。

そこで以下に手紙の文章例を記載しますので、参考にしてください。

※名前、日付等はすべて架空であり、実在の人物とはなんら関係ありません。




山田恵子 様


今村(旧姓:山田)美知恵 の 相続手続きご協力のご依頼について


前略、突然のお手紙でご不安なお気持ちになられたと思いますが、

どうかお許しください。


このたび、平成19年1月16日に、 山田恵子様の実の母親であり、
私(斉藤芳江)の母親でもある「今村美知恵」が亡くなりました。

山田博様と今村美知恵は、昭和25年8月21日に結婚されました。

そして、昭和27年10月8日に山田恵子様がお生まれになりました。

そして、山田博様と今村美知恵は昭和29年5月4日に、離婚しました。

その後、今村美知恵は、昭和36年10月6日に今村孝彦と再婚し、 昭和37年12月8日に、私(斉藤芳江)が生まれました。

その後は私が結婚するまで、ずっと3人で暮らしていました。

父(今村孝彦)は、母(今村美知恵)より先に亡くなりました。

亡くなったのは、平成14年7月27日でした。

父が亡くなった後、母は一人暮らしとなりましたが、
年金だけの暮らしは心もとなかったため、私が仕送りをしたり、
家に通うなどして、生活の面倒を見てきました。

母が亡くなったとき、私は出産で入院中でした。

そして、出産を終えてすぐに母に連絡したところ、
母が電話に出ないので心配になり、夫に見に行ってもらったところ、
トイレで倒れており、すでに亡くなってていたそうです。
死因は心臓発作でした。

そして、出産まもない状況の中、あわただしく葬儀等を終えました。

その後、相続手続きをしなくてはと戸籍等を収集してみたら、
会ったことのないお姉様(つまり山田恵子様)がいることがわかり、
どうしてよいかまったくわからなく途方にくれました。

法律では、母の財産につき、
山田恵子様に2分の1、私(斉藤芳江)に2分の1
を受け取る権利があります。

しかしこれまでのことや財産の状況、今後の生活のことがあるので、
争うことなく、母(今村美知恵)の相続財産について、
相続権の放棄をお願いできないでしょうか?

そこでまず、母名義の財産のすべてをご説明いたします。
【預金等】
○○○○銀行      5,464,774円 (通帳コピー添付)
○○○○銀行      2,574,273円 (通帳コピー添付)
葬儀関係諸費用    ▲1,716,395円 (領収書コピー添付)
【総合計】       6,322,652円
そして法律では一人あたり
3,161,326円を受け取る権利が認められています。

しかし上記のように、母の亡くなるまでの状況、
私の生活状況等を考慮していただきまして、
どうか財産放棄に応じていただけないでしょうか?

こちらの都合ばかり述べまして、大変わがままなお願いと思いますが、
どうか寛大なご対応を心よりお願いいたします。

実務の取り扱いでは、いくらかの謝礼金をお渡しして、
署名捺印をお願いすることもあるそうです。

謝礼金は一般的に、
お一人につき相続受け取り分の1%~10%程度
(100万円が上限という場合が多い)だそうです。

ただ、特別な決まりがあるわけではありません。

そこで、次のご提案をいたしますので、別の回答書にご記入の上、
返送用封筒にてご返送していただけないでしょうか?

案1:相続権放棄の書類に、無償で署名捺印していただく

案2:10万円から50万円ぐらいまでの謝礼金を受け取って、
   相続権放棄の書類に、署名捺印していただく
  (ご希望の金額:        円)

案3:法定相続である2分の1に相当する
   3,161,236円を受け取る

山田恵子様が、母(今村美知恵)に対して、
どのようなお気持ちを持たれているかはわかりませんので、
もしかしたらとても失礼なお願いをしているのかもしれません。

どうかご無礼をお許しください。

私の気持ちとしては、案1または案2が希望ですが、
どうかこじれることなく穏やかにまとまってほしいと思っていますので、
案3でもちゃんと了解します。

というわけで、どうかこのような状況をお察ししていただいたうえで、
別紙回答書にご記入のうえ、返送していただけないでしょうか?

大変わがままなお願いであることは、十分承知しております。
ただ、ご事情をお察しいただきまして、どうか寛大なご対応を、
重ね重ねお願い申しあげます。

回答書のお返事をいただきましたら、
書面をお送りいたしますので、
そちらの書類に署名捺印をして、
印鑑証明書とご一緒に返送いただくことになります。
簡単に終了しますので、よろしくお願いいたします。

お忙しいところお手数をおかけいたしますが、
どうか5月12日までの回答にご協力をお願いいたします。

また、ご不明な点がございましたら、
いつでもお気軽にお問い合わせください。

草 々



手紙を書くときに気をつけるべき重要ポイント


それでは手紙を書くときの、気をつけるべき重要なポイントを列挙します。

・知らない人からの手紙は誰でも必ず驚き、 不審な気持ちで読み始めます。だから丁重な姿勢をアピールします。

・放棄をお願いする人と、 放棄をお願いされる人の相続関係を具体的に詳しく記載します。

・放棄をお願いする側が、 亡くなるまでどれくらい深く関わっていたかを記載します。

・亡くなった時の状況や死亡理由等は誰でも知りたがりますから、 詳しく正確に記載します。

・どうして会ったことのない相続人がいることが発覚したのか、 その経緯を記載します。

・法律ではどれくらいの権利があるのか、はっきりと正確に伝えます。

・放棄をお願いすることは、遠慮することではありません。

何をお願いしたいのかを、相手にわかりやすくはっきり伝えるためにも「放棄をお願いしている」 ということをズバリ書きます。

・財産の詳細を全て公開します。

証拠書類等もコピーをしてすべてつけます。

ここで財産の記載漏れがあると、あとで紛争となりますから、必ず漏れる事のないように記載します。

・金額にしていくらもらう権利があるのか、を正確にはっきりと記載します。

・金額を正確にはっきりと記載したうえで、それもあえて放棄をお願いしていることを記載します。

・1円も払わないということではなく、いくらかはお支払するつもりがあることも伝えます。

・金額の提案はこちらからします。

お金のことは誰でも言い出しにくいものです。

そして、言いにくいことを相手に言わせない事が、相手への優しさです。

だからこちらから、金額についてはっきりと記載します。

・争うつもりもないことも、あわせて伝えます。

・回答期限を必ず指定します。

指定する際は、具体的に日にちを記入します。

具体的な指定をすると、返事が確実に戻ってきます。

このように、はじめての手紙ですべて 「正直」「理路整然」「誠実」「謙虚」「丁寧」「無理を言わない」 を表現し、相手からすぐに回答をもらい、 すみやかに決着させてしまいます。

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