なぜ遺産相続で争いになってしまうのか

残された家族同士がとても仲がよく 「長男が家を受け継ぐのは当然」 というのが全員ですんなりまとまるのであれば、 何の問題もありません。

しかし他の相続人のことを全然知らなかったり、 ほとんど縁がないような場合には、 相手に相続放棄をお願いして、 多くの人が失敗してもめてしまいます。

そこで、なぜもめてしまうのかその理由と、 もめないための基本的な考え方を説明します。


多くの人がなぜもめてしまうのか?


相手に相続放棄をお願いするにあたって、 ほとんどの人は間違いをおかします。

特に財産が多い場合は100%と言っても過言ではない状況です。

その間違いというのは、 相手の方にこちらの財産状況を全て公開する事をしない というものです。

何故、このような事をしてしまうのでしょうか。

おもな理由は2つです。

1.財産状況を公開する必要がないと思っている

2.財産状況を公開したら、相手が多く財産を要求するのではないかと考えてしまう

このような理由から、 財産の全てを公開することをするのを避けがちになります。

たとえば、相手が2分の1を請求する権利を持っていた場合、 総資産が1臆円とすると、 最大で5000万円まで請求される可能性があります。

放棄をお願いする側としては、 5000万円も請求されては困るし、 生活が破綻してしまうと考えて、財産の総額をぼかしたまま、 わかりにくい言葉でごまかしてしまうのです。

知らない相手ですから、 このような行動をする気持ちは、よくわかります。

誰でも、知らない相手とお金の話をするのは、怖いものです。

しかし、実はこれが最大の間違いなのです。


相続手続きをお願いされる場合を考えてみる


あなたが、相続手続きをお願いされる場合を考えて下さい。

ある日の事です。今まで会った事のない人が、 いきなり現れてあなたに相続手続をお願いするのです。

あなたはかなり戸惑う事でしょう。

更に、その相手はあなたにこう言います。

「相続手続きに必要だから、この書類に印鑑を押してくれませんか?」

これで、印鑑を押しますか?絶対に押さないでしょう。

ただですら、実印を押すのは慎重になります。

状況が分らない場合は、こわくて押せないはずです。

ですから、自然と状況を詳しく教えて欲しいと要求してくるのです。

これは、よく知っている兄弟姉妹でも同じことなのです。

たとえよく知っている親族の間柄でも、状況のよくわからない書類に印鑑は押せないのです。

兄弟姉妹の方は、相続財産が欲しいわけではありません。

状況のよくわからない書類に印鑑を押すのに、抵抗があるのは当たり前なのです。

だから、印鑑を押す前に「状況を教えてほしい」と言うのです。

この人としての当たり前の気持ちを、多くの人は勘違いするのです。

「状況を教えてほしいということは、状況によっては財産を要求してくるのだろうか?」

相続手続きを進めている人はこのような疑心暗鬼な気持ちになり、相続について嘘をついたり隠し事をしたりしてしまいます。

そして嘘や隠し事がばれることにより、争う必要のなかった相続が争いになってしまうのです。

大切なのは「状況を教えてほしい」と聞かれた時は、相手は財産の額など全く考えていないのです。

とにかく、情報が欲しいと考えているに過ぎないのです。


相手は敵ではないことを理解しよう


相手は敵ではないのです。

しかしこちらは、 不安から相手が財産を多く欲しがっているのではないかと、 考えてしまいがちです。

そこで財産の総額を少なめに話すか、 分りにくい説明をしてしまうのです。

放棄をお願いする側としては、 相手をだますつもりは毛頭ありません。

たくさんの財産を相手に請求されては困るから、 自分を守るためにこのような事をするのです。

実際に、財産額を少なく言った場合は、どうなるでしょうか。

相手がそれをそのまま、信じて印鑑を押してくれればいいのですが、 たいていは不動産の評価額を調べたりします。

特に財産額が多い場合はそうです。

そしてうそがばれます。

次に適当に、分りにくく説明した場合はどうなるのでしょうか。

相手は状況を理解したいと考えて、説明を求めています。

しかしあなたはごまかそうとする訳ですから、 たいてい理解できない事になります。

そうなると相手は仕方がないので、 インターネットなどで調べるか、 弁護士・司法書士に相談する事になるでしょう。

そして、状況を理解します。

再度あなたに、説明を求めてくるでしょう。

今度は、相手は状況を理解しているので適当な事では全然納得しません。

細かな質問をしてくるかもしれません。

あなたの返答につじつまが合えばいいのですが、 もし合わなければ相手はおかしいと感じます。

どちらのケースであっても、 相手はあなたが自分をだまそうとしていると感じるわけです。

そして、相手の怒りを誘ってしまい、 相続手続きのお願いどころではなくなり、 話し合いにも応じてくれなくなります。

あなたは、相手がなぜ怒ったのかわけがわからず、 途方にくれてしまいます。

何故なら、自分を守ろうとしただけだと、考えているからです。

おそらく第3者の立場で冷静になってみれば、 おかしな事をしているのはすぐにわかることなのです。

しかし自分の住んでいる家や残されたお金を失うかもしれない、 と考えてしまうと、このようなことがわからなくなってしまうのです。

これは、誰もがおちいる可能性のある「罠」なのです。

スポンサードリンク

このページの先頭へ